今回は「最愛の友と言ったら?」のとんかつです。目黒には、とんかつトライアングルとも言うべき絶妙なバランスでとんかつ屋が3店存在します。3店ともに顔と売りが異なり、また立地も良い感じに離れているため、無益な競合となることなく上手なとんかつバランスが築かれていると言えるでしょう。
前置きが長くなりましたが今回はそのうちの一つ、お手頃価格なのにウマいぜ代表「かつ壱」をご紹介。目黒駅の真ん前、徒歩2分。三井住友銀行の地下1Fにあります。
お客さんで大賑わいなとんかつ屋のカウンターってワクワクしちゃいます。香ばしく跳ね揚がる油の音、山盛りのキャベツ、かつ乗せ待ちのお皿たち・・。自分の番はまだかまだかと五感をくすぐられ焦らされる高揚感といったらもう!「へいおまち」待ちの至福の時間です。
『かつ丼ソース味』。皿ではなく、まずは丼。このソースかつ丼は「かつ壱」の看板メニューの一つになっています。メディアにも多数取り上げられたことがあるようで、店内の壁面には雑誌の切り抜きもちらほら。新潟などの「タレカツ丼」とはまた違った、薄口ソースにどっぷり全身を浸かった厚めのロースが豪快にドーン!ってなスタイル。
やー、この切断面から覗くロースの肉壁のなんと官能的なこと・・下に敷かれたキャベツがかつの蒸気で温まってフカフカになり甘味が増すのもポイント高い。脂身の強いロース肉と相性抜群です。
また丼ロースの断面かと思いきや〜
こちらは「ロースかつランチ」。丼には丼、皿には皿の世界観があります。丼は無言でかっ込むに限りますがこちらは一切れずつじっくり楽しむ。このランチ(1050円)はノーマルの定食(1500円)よりも安価なぶん、味わいと香気の繊細さには欠きますが豚感は十二分!肉の猛々しさを感じる一皿です。
初冬から春先の定番といったらこちら『カキフライ定食』。大振りな広島産の牡蠣が6つ!なんと食べ応えのあるビジュアル、辛抱たまらんっすね。定食全般セットになっているシジミの味噌汁もいい味だしてます。
このブリブリっと大きな牡蠣は広島産。ちょっとしたコロッケくらいの大きさはあり、衣も家庭的な荒さで良い感じにホッコリしています。
牡蠣フライといったら!なタルタルソース。タルタル自体にこれといった工夫はありませんが、よく馴染むな〜。タルタルは注文すれば増量可能。
ため息が出るほど悩殺的なルックス。甘味も旨味もぎっしり詰まった期間限定の逸品です。
ここで少し牡蠣のお話を。「かつ壱」では長年、三陸沖の牡蠣を使っていました。しかし先の震災以降、広島の冷凍牡蠣に変更せざるを得なくなり・・。この広島産も大振りでおいしいのですが、やはり身の締まった三陸産に想いを馳せることもしばしば。かくいう僕も、毎年冬になると三陸沖からキロ単位で生牡蠣を自宅買いしていた程には牡蠣ジャンキーなので、「かつ壱」でカキフライを食べるたびにある種の感傷に浸ってしまいます(余談ですが、昨今、自宅では福岡や兵庫から取り寄せています)。まだまだ月日は長くかかるとは思いますが、三陸沖の素晴らしい牡蠣棚が復活することを切に願うばかり。
雑居ビルの地下、くたびれた居酒屋風の佇まいといい 笑、この辺りに縁のある人以外には入りにくいお店かとは思いますが、そのぶん満足度は高い名店です。釣り好きの大将も気さくだし。「目黒とんかつトライアングル・手頃な値段でおいしいとんかつを食べたい!編」ってなときはこの「かつ壱」へ是非。
勝手にトライアングルと呼んでみたものの、以前は「天津(2009年閉店)」や「ポーク亭(いつの間にか閉店)」など、他にもとんかつ屋は多数あったので、3店が残った、と言うべきでしょうか。天津の上ヒレは最高にウマかったなぁ・・未だに惜しい・・。他のお店も都度、ご紹介していきたいと思います。
かつ壱(目黒)
03-3779-3388
品川区上大崎2-25-5 久米ビル B1F
月~金:AM11:00~PM14:00|PM17:00~PM21:30
日 祝 定休
かつ丼ソース味:900円
ロースかつランチ:1050円
カキフライ定食:1300円
※全席喫煙可